着物の染み抜きおおつき工芸

おおつき日記

2016-03-26

クリーニングでは落ちない衿汚れの変色  

「 他店で丸洗いをしたけど衿汚れが落ちていない 」 という事でお預かりしたお着物です。

完全に黄変してますので洗うだけの丸洗いでは落ちません。

染色補正が必要ですね。
  

他店で丸洗いしてあるとはいえ、どの様な洗い方をしているのか分かりません。

まだ不純物が残っている事も考えられますのでしっかり洗い直します。

この1枚目が洗い上げた状態です。

しっかり不純物を取り除いた後、部分的に漂白していきます。
  
漂白を施した状態でです。

まだ薄っすらと黄味が残ってますが

漂白をし過ぎると生地にダメージを与えてしまうので後は色で目立たなくしていきます。

黄味を抑えつつ元の地色に近付く、そんな色を調合し入れていきます。  

仕上がりです。着用するには問題ないくらいにはなったのではないでしょうか?

丸洗いだけでは汗などの変色に繋がる不純物は取り除けません。

汚れの状態をしっかり見極め、そして適切な処理をする!

お客様の大切なお着物1点1点 丁寧にみさせていただきます。

他店に出されたけど落ちてない、直らなかったもの諦めずにご相談くださいね。

 

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2016-03-20

カビ!!!  

  

かなり酷くカビが出てしまってますね。

とにかくまずは洗う!ひたすら洗います! 
 

今回は洗うだけでキレイになってくれました。

カビが落ちてもその下が脱色してしまっている事もよくあります。

その場合は一カ所づつ色を入れていかないといけないため

かなりの時間とコストを要してしまいます。

そんな厄介なカビですが陰干しをすれば発生を防ぐ事が出来ます。

定期的な陰干しは正直面倒、という声を耳にします。

ですが陰干しは誰にでも出来るセルフメンテナンスです!

やるのとやらないとでは雲泥の差が出ます。

大切なお着物に呼吸をさせてあげて下さい!!
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2016-03-12

問屋様からのお仕事  〜染難〜  

着物の製造段階で出来てしまう難を 『 染難 』 と言います。
  

松の葉の中心辺りに色が入ってませんね。

本来なら綺麗に均一に染まるはずなのですが

何かの不純物が付着してしまった状態で染め上ったために

この部分だけ綺麗に色が入らなかったと考えられます。 

松の葉と同じ色を調合し筆で入れていきます。

 

仕上がりです。

我々の仕事は古いシミやお手入れだけをする訳ではありません。

今回の様に店頭に並ぶ前の品物を万全な状態に整える、そういった事も出来ないといけません。

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