2016-07-24
今回は着物を染めた時点で出来てしまった難の直しです。
場所は上前の身頃と衽の合口部分です。
白いぼかしの部分が、かなりズレてしまってます。
ぼかしで引き染めする場合はあらかじめ印を付けてズレの無い様に染めるのですが
中にはこの様な事案も出て来る事があります。
そこで我々の様な染色補正士の出番が来る訳です。
今回は一番ズレている真ん中の部分のみのご依頼です。
まずは白い部分を太くして無理やりつなげてしまいます。
太くつなげたら後はその周りに地色を入れていき、つながりが良くなる様に修正します。
集中して作業していたので途中経過の写真を撮り忘れてしまいました。
説明だけでは少し分かりにくいかも知れませんね・・・
仕上りです。大きくズレていたぼかしをつなげる事が出来ました。
真ん中がつながる事によって上下のぼかしの微妙なズレが気になってしまうかも知れませが
そこまでは手をかけなくてよいとのお客様のご指示事がありました。
染め屋さんがどんどん反物を染めていた時はこういった仕事も沢山ありました。
しかし、染めても売れるかどうかわからない現状では必然的にこのような仕事も無くなってきます。
この手の仕事が少なくなったとしても技術は決して失ってはいけない!と思っています。
この世に着物が存在する限りは腕を錆びつかせぬよう 私も精進の日々です。
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2016-07-17
2ヶ月間の期間限定で和裁教室に通わせていただきました。
出来上がったものはこちら!!! 肌襦袢。着物の下に着る肌着です。
もちろん肌着は持っていますが お気に入りの手ぬぐいで作ってみたかったんです。
手ぬぐい1枚で 衿と両袖をとって、身頃は新モスで作りました。
浴衣を着た時に 長襦袢は着ないので 袖の中など、ちらっと見えるのが気になっていました。
夫は今まで綿のTシャツを着ていたので もっと気になってたんです😂
ちゃんと夫が腰紐を締める位置の長さを測って 着崩れない様に身丈を決めました。
勿体なくてなかなか使えないと思ってた有松の豆絞りの手ぬぐいを使いました。
有松絞りの工房を見学させていただいた時に作る工程を見せていただいて
ひとつひとつ形の違う豆の水玉や、端っこの青い染料の部分がとても愛おしくなりました。
⬇︎の写真 左側が有松の豆絞りの手ぬぐい。 右側がどこでも買えるプリントの豆絞りの手ぬぐい。
娘が自分のが無いと・・・ 悲しそうに言うので縫い方を覚えてるうちに縫っておかないと!
肌襦袢1枚でも汗をだいぶ吸収してくれるので重宝しそうです。
薄い素材のものもありますが、暑いからこそしっかり汗を吸収する素材の肌着がいいと思います。
私は肌着の上にさらにタオル素材の補正着を帯下に着用しています。だいぶ違います。
汗の対策をすることで着物を着られたあとのシミやお手入れも大きく違いますのでおすすめです。
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2016-07-12
白い大島紬の袖を解いた状態です。
袖山がクッキリと変色してしまってます。
洗って落ちるものではないので漂白していくのですが、その前に大切な事があります。
それは薬品テストです。
今回の大島紬のように先染め(糸を染めてから織る) の生地は
薬品の使用で色が飛んでしまうと修復不可能になってしまう恐れがあります。
このような白大島の場合は黒色の糸の色が無くなってしまったり
黒色が滲んで来ないかを目立たない生地端でテストしました。
結果薬品に耐えれると判断出来たので漂白していきます。
仕上りです。 かなり目立たなくなりました。
( ⚠️ こちらのケースは 袖山のご依頼でしたので 仕立てて中に入る所はそのままです⚠️ )
お客様からお預かりする大切なお着物なので失敗は許されません。
より確実な仕事をするには手間を惜しまず、薬品テストをしてから進めていきます。
薬品テストをした結果で お客様とご相談させて頂き、ご返却になる品物もあります。
その場合 代金は頂戴しておりませんので ご安心くださいね。
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