着物の染み抜きおおつき工芸

おおつき日記

2016-04-24

絞りのアク

チョウの右側の羽根に黒っぽくシミになってますね。

これは着物の製造工程の中の生地を絞る段階で付いてしまったアクが原因と考えられます。

生地を絞る時に使用する糸からアクが出る事が有ります。

そのアクが生地に残留してしまい時間の経過でシミとなり出て来てしまったのでしょう。

漂白で飛んでくれる場合が多いので漂白してみます。 

仕上がりです。キレイに飛んでくれました。

我々の仕事は技術はもちろんですが経験値がとても大事です。

着物を作り上げて行く工程なども頭に入れて

どのようなシミなのかを予測する事がキレイに仕上げる近道となります。
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2016-04-17

袖口汚れの変色  

袖口がしっかり汚れてます。  

皮脂などの黒ずみの下が変色している予感がします。

 
  洗って落とせる汚れは落としましたがやはり汚れの下は変色していました。

変色部分を漂白してみます。

 
仕上がりです。殆どわからないくらいになりましたね。

“  一般的なお店の丸洗いやクリーニングで汚れの落ち具合がイマイチ  ”

・・・ といった経験は有りませんか?

それは漂白して染色補正する技術を持ち合わせてないお店だからだと思います。

当店はそういった技術に特化した職人が仕事をしております。

お困りでしたらお気軽にご相談下さいませ。
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2016-04-10

変色直しの工程  

今回は変色直しの手順をなるべく解り易い様に書いてみますね。
  
何か食べ物をこぼされたらしいです。

食べ物の汚れは水や油など色々な成分を含んでいます。

まずは下処理として生地に付着したこれらの不純物を完全に取り除きます。

方法ですが始めに油性溶剤で油分を落としきります。

次に水またはお湯でタンパク系やタンニン系などにに効果がある薬品を使用して洗っていきます。

水やお湯で洗う時は生地を傷めない様に丁寧に作業を進めます。
  
下処理を終えた状態です。

洗った後に指で触る事もとても大切です。

触れた時に硬さなどの違和感を少しでも感じた場合はまだ生地に不純物が残っている、という事になります。

不純物の残留は次の工程に影響が出ます。妥協は許されません!

次に変色が残った部分を漂白していきます。

  

漂白が終わりました。茶色っぽい変色部分が薄黄色っぽくなるまで飛んでくれました。

後は色でごまかせそうです。

漂白時に心掛ける事は生地の状態を確認しながら少しづつ進める、という事です。

漂白剤は劇薬でとても生地を傷め易いです。油断してやり過ぎてしまうと生地が破れてしまいます。

神経を研ぎ澄まし作業しなければいけません。

それともう一つポイントとしてカチっと抜かずにボンヤリ抜く!という事です。

元のシミよりも大きくなったとしてもボンヤリ抜く事で仕上がりに差がでます。

ここも妥協は許されません!! 

そして最後に漂白剤を中和してしっかり洗い落とします。

次が最終工程の地直しです。地直し、という言葉な聞きなれないと思いますが

要は地色を元の色に直す、という事です。

 
仕上がりです。自分で言うのも何ですが・・綺麗になりましたね!

漂白後の薄黄色い部分に何色を入れれば元の地色になるかを考え調合ます。この場合は青味の色を入れました。

黄色と青色を混ぜれば緑色になりますよね?簡単に言うとその原理です。

漂白して地色が抜けた部分をパレットとしてそのパレット上で元の地色を作る、そんな感覚で作業します。

色を入れる時はその状況の応じて筆や刷毛、エアブラシを使用します。

今回は筆とエアブラシを使用しました。

語りだすとまだまだ足りませんがまとめるとこんな感じです。

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